高校生の頃、このアルバム(当時は当然レコード)が
欲しくて欲しくて仕方がなかった。都内のレコードショップ、秋葉原などを
巡り歩いて捜したものだった。なかなか再販されず、中古レコード屋さんでも
万単位の価格が付いていて、涙を飲んだことを思い出す。
このRIVERSIDEというレーベルは熱狂的なジャズファンであった、
オリン・キープニュースが友人と共に立ち上げた。
なかなか魅力的なミュージシャンが在籍していて買い漁ったものだ。
ビル・エヴァンス(p)、キャノンボール・アダレイ(as)、ジョニー・グリフィン(ts)
ウェス・モンゴメリー(g)、ソニー・ロリンズ(ts)などの大御所が名を並べている。

で、このアルバムはレコード時代にやっと再販されて飛びついた。
針を下ろすと、ううう〜、JBLのスピーカーからはモンクらしい
思ったとおりの奇抜な出だしで、鳥肌がたった(笑)

そして現在のCD時代に突入し、私のCDコレクションの初期に
購入したのは言うまでもない。

サイドメンは、まずトランペットのレイ・コープランド。
このセロニアス・モンクやジョン・コルトレーン、フィル・ウッズなどと
競演している実力者だが、残念ながらリーダーアルバムは出していない。
アルトサックスのジジ・グライスも大物だろう。テクニックもあり
強弱のある表現力は聴くものを魅了させてくれる。
アート・ファーマー(tp・fg)とのグループが有名だ。
テナーサックスは超有名なジョン・コルトレーン。
しかし、大御所だらけのこのグループではまだペイペイだ。
同じくテナーのコールマン・ホーキンス。テナーの父とも呼ばれる彼の
演奏は艶があり、ときとして男性的なトーンを織り交ぜる。
誰からも慕われる、ジャズ会の実力者だ。30年以上に渡って
テナーのトップに君臨していた。
アート・ブレイキーは太鼓の王者だ。
彼のブルーノートアルバム「モーニン」は日本でも、
もっとも有名な一枚でもある。
叩いているときはいつも大口を開けている(笑)
ベースのウィルバー・ウェアはモンクのクァルテットに
定番で参加しているテクニックあるベーシストである。

Art Blakey

さて、曲目は一発めにいきなりピアノ抜きのホーンセクションのみ。
しかも、賛美歌。
誰でも知っている39番の「アバウト・ウィズ・ミー」(主よ、ともに宿りませ)だ。
この賛美歌39番の作曲者はウィリアム・H・モンクという。
ちょいとした洒落かもしれなが、この耳心地いい奇抜なアイディアに賞賛を送りたい。

二曲目の「ウィル・ユー・ニードント」はこのアルバムをもっとも有名に導いた
曰く付きの曲だ。曲のテーマからモンクのソロパートとなり、次に出てくるはずの
ジョン・コルトレーンが居眠りをしていたため、モンクが「Coltrane!Coltrane!」と
叫んでしまう。で、リズムを刻んでいたドラムのアート・ブレイキーとベースの
ウィルバー・ウェアがびっくりしてリズム進行に混乱を来たしてしまう。
普通、レコーディング中にソロイストの名を叫ぶようなことはしない(笑)
曲自体はミディアムテンポのユーモラスなブルースだ。

Wilbur Ware

素敵な写真なので貼り付けた。
セロニアス・モンクとは関係ない(笑)

Gigi gryce

Nextはまだないよん

John Coltrane

有名どころが揃ったこのアルバムだが、
他の六人の凄い才能が加わっても
セロニアス・モンク色に染まった
個性の強いアルバムに完成。
レコードでは収録されなかった
「オフ・マイナー」と「クレパスキュール・ウィズ・ネリー」の
別テイクがボーナストラックとして収録されている。

このアルバムも、何度聴いても飽きることはない。

注・BGMはこのアルバムに含まれている曲ではありません。

三曲目はテナーの父、コールマン・ホーキンスをフィーチャーした
バラードの「ルビー・マイ・ディア」。
とても美しい曲だ。コールマン・ホーキンスの
味のあるいぶし銀のようなテナーがシブイ。

四曲目。「オフ・マイナー」はリズム感あるユニークな曲で、ここでも
最初のソロをとったコールマン・ホーキンスのドライブ感がいい。
トランペットのレイ・コープランドのテクニックも光る。

五曲目の「エピストロフィー」は、マイナー旋律で不協和音の味わいを
巧く出している。各ソロのバックでのモンクの存在感がすごい。

六曲目は「クレパスキュール・ウィズ・ネリー」というモンク夫人に捧げたバラード。
語りかけるように弾くピアノが印象的だ。
また、ソロはなくホーンセクションのアンサンブルは全て譜面に書かれているという。
モンクの力作だろう。

まずはジャケットが楽しい。ブルー系のマドラスチェックのハンチングを被ったモンクはパリっとした三つ釦上二つ掛けの
ダークスーツに身を包み、オックスフォードのボタンダウン、シンプルなレジメンタルストライプの細身のタイで
靴はバックスキンのプレーントゥでキメている。黒人好みのキンキラ時計にタクトのように長い、赤い鉛筆。
小粋なアタッシュケースの上には書きかけの譜面。根元まで吸い込んだ煙草もアクセサリーに見える(笑)
で、このサングラスが秀逸。フレームが竹でできている。
そんな格好をしたモンクが子供用のカートに乗ってポージング。奇妙奇天烈であるが、微笑ましさも融合した
微妙なズレを感じることができる。見えないが、スーツはセンターフックベンツであると信じたい(笑)
レコード時代はこのCDジャケットの約四倍強の大きさであったから、もっとインパクトがあったもんだ。

Colman Hawkins

Thelonious Monk

Ray Copeland